”ゆりかまにあ”的「ゲキガンガー3 熱血大作戦」レビュー

(1998.8.25初出 / 2003.9.18改訂)


(あらすじ)
木連との戦争も終結した地球。ゲキガンガー3の劇場版「ゲキガンガー3 熱血大作戦」を見に行くユリカとアキトとルリとミナト。劇場版ゲキガンガーは、前半がテレビの総集編、後半は新作だ。映画館にきたのが初めてのアキトはなんとなく落ち着かないでいる。そして上映時間が来る。前半が終わったところで、ユリカは竜崎テツヤって何とアキトに問う。いつもアキトの隣でゲキガンガーをみていたのが、アキトの隣にいるとドキドキしてしまっていて、ゲキガンガーが全然あたまに入っていなかったのだ。そして後半もおわり、余韻に浸っているアキトを横目に、ユリカは自分とアキトとの結婚パーティーの招待状をルリとミナトに手渡すのだった。


”ゲキガンガーのOVAでユリカとアキトが結婚することがわかる”という情報をどこかから入手しまして、見ることにしました。正直なところ、なんでゲキガンガーでユリカなの?……って疑問に思ってましたが、こういうことでしたか(笑)。

映画館にいるユリカ達は、みんなテレビ版のナデシコ……つまりネルガル商標のついた制服をきていました。映画館にその服でかい、ってつっこみはなしですか、やっぱし。ちなみに、ラストシーンでユリカがルリに招待状を渡すシーン、これと劇場版へつながる「空白の3年間」との整合性を問題にしている人がいたようですが、問題にするだけ不毛ですね。

しかし、冒頭の情報を得てからも納得がいかなくて、どこで艦長がでるのかな……なんて、半信半疑でビデオを見はじめたら、いきなし御姿ぐゎあぁ!おもわずスチルして、想いをはせてしまった。ううう、ナデシコパートの作画監督、後藤圭二さんだよぉ。美しすぎるぅ。劇場版が200%up(当社比)なら、このOVAでは144%(当社比)ぐらいあげたいです。ストーリー的には、アキトが見たいっていうから、ユリカはつきあってあげてるんだぞってのが見え見えで、これもまた艦長らしい(笑)。

さて、”ゆりかまにあ”である私としては、問題は劇場版ゲキガンガー"death"……でなく総集編が終わった後のナデシコパートに注目。ちょっとだけ引用(?)してみましょう。

ユリカ「ねえ、竜崎テツヤって、何?」
アキト「なんだよ。前に一緒に見ただろう(ちょっといらだち顔)」
ユリカ「ええぇっ。でぇもぅ(頬を朱に染める)」
アキト「んっなんだよぉ(恥ずかしかりながらも笑顔)」
(ユリカの横顔アップ)
「だって私、アキトの横にいると、なんかドキドキしちゃっておぼえてない」
(ちらっとアキトを見る)

まず、アキトと見ていると言うところでクラッときました。そっかあ、一緒に見てるんだ。好きな人のそばにいられて幸せなんだろうな……とまあ、いつもの(嘘)慈愛のまなざしモードだったのわけですが、大問題は次。横顔のアップ。もうこれだけでごちそうさま(笑)なのに、さらに、アキトの隣にいるとドキドキしちゃって、ぜんぜん頭にはいらないという台詞が続き、さらに恥じらいのまなざしをアキトに(画面上では視聴者に)送る。うわあ、こっちもドキドキだ(笑)。その頬を真っ赤に染めて恥じらう表情、良すぎます、本当に。しゃれになりません。私、惚れ直しました、艦長。

だが、しかし、そしてそして、さらに、超問題セリフが……。

アキトだって、いつも……

……
……
……半端モノ、卒業だな。おめでとう>テンカワ

私は”アキトが好きというユリカが好き”な人なので、これは正直うれしかった。だってあんた、ゲキガンガーよりユリカの方が好きっていうのを態度で示したんだぞ、おい(人情モード)。光景が目に浮かぶぜ(おいおい)

アキトの部屋。カーテンをひき、電気を消し、ゲキガンガーの上映会をしている。会、といっても、いるのはアキトとユリカだけ。すでに1時間が経過し、話も3話の途中だ。
二人はカーペットの上に座布団をしいて座っている。その前には、ポテトチップスやら飲み物やらがおいてある。
ユリカがコップを空けた。視線をアキトに移す。アキトはただじっと横顔をユリカに向けていた。その横顔を、ユリカは1時間みていた。
だが、コップがあいた。それを合図と感じたのか、ユリカは手をそおっとアキトの手の上にのせ、指を絡めた。そしてアキトの肩に身体を預ける。
思わず、アキトがユリカを見る。
「アキト……」
頬が熱い。かなり真っ赤なのだろうか。すくなくとも、ユリカの表情をみたアキトは驚いて息をのんだ。
だが、その顔も、すぐ真顔に、そして優しい笑顔に戻る。
「ユリカ……」
アキトの手がユリカの頬に伸びる。顔が近くなる。唇に血の通った暖かい感触が伝わる。
「……いいの?ゲキガンガー、みないの?」
ややあって唇のあいたユリカがきく。意地悪な質問。
「みない。消そうか?」
罠は破られた。ユリカはいたずらっぽい笑みをこぼす。
「いいよ。ゲキガンガー、つけとこうよぉ……」

さあ、あとは若い二人にまかせて(ぉぃ)。そういうことなら、最後に結婚式パーティーの招待状を配るのも納得だし、劇場版ユリカの胸が大(サクッ、と斬られる音)。

結婚式でなく、パーティーは6月10日にレストランドラゴンで開かれるとのこと。パーティーってのが気になるところですが、未来の結婚のパターンなのかな、とSF設定に答えをもとめてしまおう(おいおい)。でも、結婚するという”解答”をみることができてよかった。本当にうれしそうだ、ユリカ。私も行きたいぞ(笑)

もちろんゲキガンガーパートも、古き子供(笑)である私には心地よい流れだったし、実におもしろかった。ゲキガンガーのOVAではあるが、”ゆりかまにあ”、さらにはそんなに濃くなくても(爆)、普通のナデシコファンへも充分おすすめできる快作だと言えるだろう。


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