第一印象を書いてからはや4時間。すこし落ち着いてきました。
本当は、表題のことは考えたくないんです。でも、これをきちんと考えないと、今後”ゆりかまにあ”として、いかなる態度でのぞめばいいのか、自己同一性に関わる重大な問題なので、きちんと考えていくことにしました。
でも、途中でギブアップするかも。そうなったら、許してください。
ユリカの処遇、これはもう最悪なのは言うまでもありません。拉致されてからユリカが救出されるまでのことを考えると、本当に胸が痛みます。こればっかりは文章化できませんし、したくありませんし、読みたくもありません。
でも、もっと冷淡かつ他人事のように顧みると、この「したくない」というのは現実逃避になるのであろうか、という疑問が湧いてきます。よくエヴァンゲリオンで出てきた問答ですね。確かに、ミスマルユリカ艦長の輝いていた時代のみを追い求め、拉致されてからのことをなかったことにするという態度は、”ゆりかまにあ”としての現実逃避と言えるかもしれません。まして、テレビ版の続きということで劇場版がはじまったわけですから。
以下、公式の処遇は次のとおりになります。逃げるなよ>私
ミスマルユリカ:
- 想い人だったテンカワアキトとの結婚を果たし、幸せ一杯の新婚旅行中に「火星の継承者」に拉致される。
- A級ジャンパーである彼女は、さまざまな実験がほどこされるが、幸いにも身体能力には何ら影響を受けなかった??
もしこれが本当なら、この間アキトととは離ればなれであろうし、また、男性の科学者がほとんどの中での実験は屈辱的だったものに違いない。その中で、あの明るさを失わないでいられた艦長に涙が出てきます(ホントに泣いてます)。
しかし、これはアキトがそうだっただけで、彼女に実験されたかは不明である。すなわち、拉致されてからすぐに仮死状態にされていたという可能性も否定できないということです。パンフレットには仮死状態にした、とはあっても、実験させられた、って書いてないですし。つまり、シャトルの爆発後、おそらく気絶していた彼女をそのままの形で利用してきたのではないか、という考えもあり得るのではないか……。でも、これはちょっと都合のいい解釈ですか?(^^;;
- 仮死状態にされ、遺跡システムに結合させられる。この時、全裸であり、ナノパターンを背負った石膏のオブジェのような姿である。このとき、アキトが救出にくるも失敗に終わる。
拉致されてから2年あまりたっての状況である。いつから結合させられたかは不明。このあたり、極端に不幸な考え方も、極端に明るい考え方もできる。
ただし、仮死状態にするといっても、そう簡単に仮死状態にしたり元に戻したりできるんだろうか?医学には詳しくないのでなんとも言えないが、常識的にはできないのではなかろうか。となると、ずっと最初から仮死状態が続いているというように考えるのが自然か?
さらに分からないのは、なぜ石膏像のようなのか、ということ。映倫のせい、というならば、ルリの入浴シーンはどうなのだろうか。もっとも、あれが生々しい肉体であったら、もっと悲しみは増すかな。でも、あのおかげで、ミスマル艦長を客体としてとらえることができて、精神衛生上よかったのかも。ここはたぶん評価がわかれると思います。
- 研究所へうつされる。このときはアテネ像のように布を被せられているが、これは女性職員からのセクシャルハラスメントだという抗議による。しかし、このほうがエッチだという意見も出る。
- 少女漫画を下敷きにした、アキトとの恋愛ドラマの夢を見させられる。これを利用して「火星の継承者」はボソンジャンプを成功させる。
このあたり、幸せそうな感じですね(^^;; ある意味、外界の不幸を全然知らないでいられるのだから。
- ナデシコCと旧ナデシコのクルーによって救出される。第一声は「みんな……老けたね」
この無邪気さが良い。やっぱりユリカは艦長さんだよ。でも、このセリフだけで、この2年間の出来事を考えるわけにもいかない。やはり、どうしても実験に供されたのではという不安が残ってしまうのである。
まったく結論がだせませんね、これだけじゃ。何のために考察したんだろ。
では、こういう考え方はどうでしょう。
ミスマルユリカは、大学を主席で卒業して、能力はかなり高いと思います。となれば、実験に供されていたとしても、なんとか脱出を図ることができるのではないでしょうか。また、女性に対する「虐待行為」というのは、元木連中将・草壁ハルキの正義感に反するかもしれません。となれば扱いは丁重なものであったか、それとも面倒であるから、と最初から仮死状態にしておいたという考え方もできるかも知れません。
というわけで、いささか強引ではありますが、私は「最初から仮死状態」説をとって、精神的な安寧をはかることにします(笑)。しかし、アキトとのバランスが……(^^;;;
まあ、でも、そうは言っても、愛する者と引き裂かれたというストーリーは嫌いですけどね。